相続手続きを代理人に依頼したい
高額な財産が絡む遺産相続は、相続に不慣れな自分たちで手続きを進めず、相続のプロである専門家に関わってもらいながら進めたいというご相談が非常に多くなっております。
しかし、各専門家にできること・できないことがあります。メリットやデメリットを考えたうえで、どの専門家に相続手続きについて相談するのかを考えていく必要があります。
専門家や代理人に関わって進める手続きのメリット・デメリット
弁護士の先生に代理人として依頼する
唯一、弁護士のみが特定の誰かの代理人になることができます。弁護士ではない方が代理人として、調停や遺産分割の交渉をすることはできません。
弁護士でも出来ないことはあります。遺産分割の話し合いがまとまらないからといって、相続人全員で相談にいっても対応してもらえません。なぜなら、弁護士は利害関係のある両者に対して代理人になることができないからです。これは、双方代理の禁止といって法律で禁じられている行為です。弁護士は「正義の味方」と思われがちですが、そうではなく「依頼者の味方」です。
相続人ととても揉めてしまって、自分ではどうしようもできない…など、本当に困ったときに弁護士の先生は、間違いなく頼りになる存在です。
デメリットをあげるとすれば、先生に支払う報酬が高いところでしょうか。現在は報酬も自由化となっており、報酬規程は存在しませんので依頼する先生によって支払う報酬は異なります。参考までに、旧弁護士報酬規程を記載いたします。
◆弁護士の旧報酬規程
経済的利益300万円以下の場合…16%、300万~3000万以下の場合…10%、3000万~3億円以下の場合…6%
争いのある遺産分割についてお願いし、相続財産のうち6,000万円を経済的利益として獲得した場合、支払う報酬は360万円です。報酬金額の半額が着手金として別途支払う必要がありますので、合計では540万円となります。
信託銀行に代理人として依頼する
被相続人が作成した遺言書にて、信託銀行が遺言執行者として選任されている場合は、遺言執行者として代理人業務を行うことができます。信託銀行はあくまで一般企業ですので、法律のプロではありません。企業に所属している社員ですので、信頼度の高いと思いますが費用がかなりかかります。法律の専門家に依頼するより、3~4倍の費用にかかります。
法律のプロではないうえに、費用がかなり高くあまりおすすめできません
また信託銀行は「不動産の名義変更」や「相続税の申告」ができません。なぜならこういった業務は法律で国家資格者に認められた専門領域となっているからです。信託銀行がやってしまうと法律違反になりますので、当然対応してもらえません。
ですから、信託銀行に依頼した場合は信託銀行に払う費用+外注の司法書士・税理士に報酬が必要となります。信託銀行に依頼すると、3~4倍の費用がかかるのはこういった理由からです。
司法書士に代理人の依頼する(相続財産管理人の契約)
司法書士が相続財産管理人となれば、相続人全員あるいは一部から遺産相続の業務を依頼できます。
相続財産管理人は代理人として相続人の代わりに遺産相続業務を行うことが可能ですが、注意点があります。相続人同士の間でトラブル・争いが無く、公平中立な代理人として関わることが前提になることです。
報酬は、依頼する先生により異なりますが、財産の1%を目安としているところが多いです。相続人同士で争いたくないし、相続のプロが第三者として関わって誠実に手続きを進めてほしいと思われる方にとっては、非常にメリットが多い選択になると思います。
代理人という立場ではなく、手続き業務の代行としてお手伝いさせていただく事で私たち法律家の報酬を安くしたいというご要望にも対応させていただきます。 まずはお気軽にご相談ください。