その他の宅地
ここでは、これまでお伝えした宅地の評価以外のものをご紹介します。
目次
地区区分の異なる宅地
地区の区分が異なる宅地を評価するには、まず正面路線を決める必要があります。正面路線と聞くと「玄関が設置されている側」「車庫があり、よく出入りしている側」を想像しがちですが、ここでいう「正面路線」は「宅地と接している路線の路線価に奥行価格補正率を掛け、最も価格の高い路線」を指します。
正面路線を決定したら、正面路線に係る評価額を算出します。これが補正した正面路線価です。正面路線価以外については「奥行価格補正率と側方路線影響加算率」を掛け、「補正した側面路線価」をだします。
上記で求めた補正した正面路線価と補正した側面路線価を足し、それに土地の面積を掛けます。これが「地区区分の異なる2つ以上の路線に接する宅地の評価方法」です。
容積率の異なる宅地
1区画の宅地内で正面路線に面する地域の容積率と、異なる容積率の地域が存在する場合はそれぞれの正面路線価に対して存する地区区分に応じた奥行価格補正率を乗じた価額により算出します。
確認方法
用途地域、建ぺい率、容積率の記載のある都市計画図を基に確認します。
造成中の宅地
造成中の宅地に対する評価額をだすには、土地の造成工事を着手する前の地目で評価した課税時期の価格と、宅地の造成に係った諸費用の8割に相当する金額で評価します。
※宅地の造成にかかった諸費用(埋め立て費、土盛り費、土止め費、地ならし費)は、見積書などを基に調べ、その額を相続開始時の価額におきなおしたものを指します。
セットバックを必要とする宅地
建物を建てる際の土地は4m以上の幅がある道路に面している必要があります。道路の幅が4mに満たない場合は道路の中心から2m(道路を挟んで反対側が水路などの場合は、道路の向こう端から4m)以上の幅を確保する必要があります。道路の幅を4m以上確保するために土地ごと後退させるのが「セットバック」です。
セットバックを必要とする宅地は、宅地がセットバックをさせる必要がないと想定した場合の評価額から、セットバックを必要とする部分の価額の70%を控除した価額におきかえ評価します。
セットバック時の注意点
- 河川沿い(4-X)×面積
- 線路沿い1/2不可
- かげ地
◆定期借地権
◆区分地上権に準ずる地役権(の目的たる土地)
◆農地関連の評価の記載
大規模工場用地
一団の工場用地が5万㎡以上であった場合、地目利用単位ごとに区分することはせずに評価します。
20万㎡以上であった場合は5%評価減させます。
「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の宅地
1)借地権
評価しません。(評価は0です)
2)貸宅地
- 賃貸借契約にて貸し付けをしている場合あるいは相当の地代に満たない地代を収受している場合
→自用地評価額×80/100 - 使用貸借契約により貸付けている場合
→自用地評価額